日本アイ・ビー・エム株式会社様 ご提供記事
2022年12月13日
「予算消化の進捗状況の見える化」というテーマは多くのお客様からよくご相談をいただいております。今回ご紹介する事例も、お客様の経営管理室の方からIBMのホームページへお問い合わせをいただき、お客様へ訪問したところ「言い出したらキリがないくらい社内のデータが見えない」とのご相談をいただいたことがきっかけとなっています。お客様の課題、課題解決の方向性、効果と展望、ソリューションイメージの4点についてご紹介させていただきます。
お客様の課題
製造業のA社様では、さまざまな業務領域の見える化を行うことにより生産性を上げられる可能性がある領域がありましたが、まずは、経営の要である事業収支管理の見える化に取り組むことになりました。当時は各部署から集まるスプレッドシートの数も膨大で、そのマージ・集計作業、試算表算出に多大な時間を費やされていました。また集めるデータが整理されていないため作業も属人的になっており、精度の高い収支を把握することができないこともお悩みの一つでした。こういった状況のため、工数をかけてなんとか四半期に1度、予算消化の進捗管理を実施されていました。これを毎月実施できるようにするということと、正確さを向上するという二つの目標をおいて取り組むこととなりました。
課題解決の方向性
お客様はIBM iで会計システムを稼働させていましたが、基幹システムを修正するような大規模改修までは考えたくないという強いご要望がありました。そのため、完全な自動化までは目指さず、多少手作業は入るものの、現実的な運用でかつお手軽に導入できるような方法を検討することになりました。
まずは、目標と作るものをより具現化するために、
- レポート仕様の整理
- 各種マスターデータの整理と理解
- データの抽出・加工ロジックの明確化
言い換えると
- 何が見える化できると良いかというアウトプットの定義
- 必要なインプットの洗い出し
- インプットをアウトプットに変えるためのプロセスの整理
それらをIBMが提供する統合型プラニング・ソリューションである「IBM Planning Analytics」に定義・実装しました。
IBM Planning Analyticsでは、Webベースのインターフェースが提供されており、さらに使い慣れたExcelと同じインターフェースと機能で操作しながら、企業計画ソリューションの性能を活用することができます。EXCELとの相互運用性があり、ユーザーは片方または両方のインターフェースを使用して作業できるので、例えば計画値や毎月の会計実績など、それぞれバラバラのスプレッドシートを特定のフォルダに置けばあとはIBM Planning Analyticsが自動で取り込み・加工・集計を行ってくれます。
この様に、さほど手間をかけることなくダッシュボードが作成できるので、あとは経営企画や経理の複数の方が同じところを見て、状況把握や意思決定を簡単にできるようになるというわけです。また、商品軸、取引先軸、市場軸などいろいろな視点を組み合わせてデータを見ることができるので、従来のスプレッドシート方式ではできなかった、より精緻な状況把握や対策の検討がサクサクと行えます。
効果と展望
このようにA社様では四半期に一度、毎回2-3週間かけていたスプレッドシートのマージ・集計作業から解放され、毎月精度の高い事業収支試算表から収支を把握できるようになったと喜んでいただいています。また今後の展望として、年間収支見込みや経営指標管理など他のケースでも活用を進めていきたいと考えられています。
ソリューション紹介
今回ご紹介したIBM Planning Analyticsは、あらゆる計画業務で部門単位から企業全体まで、幅広くご利用いただけます。今回は会計業務における活用例をご紹介しましたが、需給管理や人員計画、販売予測などの活用例があり、最新事例ではCO2の見える化にも活用いただいております。
多くの業務において、未だスプレッドシートのバケツリレーが行われているかと思われます。今回ご紹介したIBM Planning Analyticsは、こういった手作業による計画の限界を打破するソリューションです。SaaSでもオンプレでもご利用いただけます。計画・管理業務の見える化、効率化に取り組まれる際は是非ともご検討ください。
以下のWebinar抄録で、その他のお客様事例もご紹介していますのでご一読ください。
https://www.ibm.com/blogs/solutions/jp-ja/seminar-planning-analytics/