2018年8月7日 | スティーブ・ウイル
IBM Power System E980
POWER9ベースのシステムの段階的発表は2月に開始されました。発表は“分散型”システムから開始されたので、今日の発表は大型システム特にIBM i 向けであり、IBM Power System E980モデル9080-M9Sのサポートを意味します。7.3 TR5および7.2 TR9は、これらの新しいシステムをサポートするよう求められることになります。 計画ではテクノロジー・リフレッシュ(TR)の利用可用日は2018年9月14日です。TR PTFグループ、および他の機能を提供する関連PTFはその日に利用可能になります。システム自体は、2018年9月21日に出荷を開始します。更なる情報は、developerWorksのこちらおよびこちらから入手できます。 IBM i チームには、これらの新しいシステムとそれに関連するテクノロジーについての詳細情報に関する良い出発点がここにあります。 以前に発表したブログで述べたことを繰り返しますが、POWER9ベースのシステムを採用しているユーザーは、IBM i 7.3への移行もかなり迅速に進めるよう強くお勧めしています。なぜなら、IBM i 7.3はこれらのシステムに対する将来の拡張機能と関連技術を活用するためのより一層優れたリリースだからです。 さあ、新しいシステムに関連していない発表部分を見ていきましょう。Db2 for iの機能拡張
データベースアプリケーション開発者向けに、以下のようなデータ中心のSQLソリューションを構築するための新しい機能が加わりました。- 組み込みSQLを使用する際のILE RPGプログラミング制御の強化により、SQL使用時のRPGプログラマーの生産性が向上。
- SQLプロシジャー、関数、トリガーのコード生成の改善により、これらのオブジェクトが再作成されるときのパフォーマンスが向上。
- 新たに強化されたSQL組み込み関数を使用することで、より多くのビジネスロジックがSQL文で記述可能。
- IBM Toolbox for Java JTOpen JDBCドライバにより、可用性の高いアプリケーションをデプロイ可能。
SQLサービス
最近のTRの伝統では、IBM i サービスが追加、強化され、IBM iコマンドおよびAPIに代わる有用なSQLベースの代替機能が使用できます。- ACTIVE_JOB_INFO UDTFは、新しいオプションの入力パラメータと70個の新しい戻り列を提供。これらの機能強化により、管理者はSQLを使用してシステム管理指向の問い合わせをより容易に行うことが可能。
- JOB_DESCRIPTION_INFOビューは、各ジョブ記述に1つの行を返答。このサービスは、SQLを使用して管理できる一連の作業管理トピックに追加されたデータベースエンジニア向けの新機能。
- Db2 for iのデータベースサービスとして、GENERATE_SQL_OBJECTS()プロシジャーの追加。このプロシジャーを使い、Db2 for iは依存オブジェクトを分析して完全に順序付けられたSQLを生成することで、大幅な生産性向上が可能。
IBM i Access Client Solutions
IBM i Access Client Solutions(ACS)は、IBM i のアクセスならびに管理のための戦略的なインターフェースです。 新しい更新版(1.8)には、IBM i ユーザーおよびIBM i Db2データベースエンジニア向けの多くの更新が含まれています。 注:最新のセキュリティー勧告に確実に準拠するため、ACSには最低限Java 8が必要です。ご使用のPCのデフォルトJavaバージョンを、Java 8以降の最新バージョンに更新する必要があります。このデプロイメントにJREを追加する方法については、developerWorksの記事(“オプションのJREデプロイメント”および“JREデプロイメントの考慮事項”)を参照してください。 ACSのいくつかの部分に大きな変更が加えられています。以下に、一般的な分野を列挙しますが、詳細はdeveloperWorksで入手できます。- オープンソースのユーザー、開発者、およびデプロイヤーのためにACSに、IBM i 上のオープンソースパッケージを管理するための新しいインターフェースを追加。新しいインターフェースは、システム上およびCHROOTコンテナ内の両方にオープンソースパッケージを容易にインストール、削除、または更新する手段を提供。 このツールはRPMを活用するので、5733-OPS製品の導入は不要であることに注意(詳細は、“IBM i のオープンソース”の章を参照)。
- スキーマを扱うDb2エンジニアは、(表/表区画)のロックされた行、(エイリアス/索引/表/ビュー)のロック保有者の取り扱いが可能。また、(表/索引)の切取り/コピー/ペーストも可能、等々。
- 印刷サポート用5250エミュレータのユーザーは、CPI、LPI、ページサイズ、フォントサイズの縮小/拡大など、多くの機能を含むJPS(Java Print Service)が活用可能。
- Rational Developer for i(RDi)に、PDM開発者がRDiに移行しやすくするための新機能とDATA-INTO命令のサポートを追加。詳細はRational Developer for i Hubサイトを参照。
- IBM Backup, Recovery and Media Service for i(5770-BR1): IASP(Independent Auxiliary Storage Pool)サポートおよびアーカイブ・ダイナミック・リカバリーによる機能強化(IBM Backup, Recovery and Media Services for i 7.2以降)。
IBM i のオープンソース
私達がソーシャルメディア(いくつかの記事だけでなくTwitterやブログを含む)を通じて語ってきたように、IBM i 上で稼働するオープンソース・ソフトウェアの配布に関する戦略的方向性は、業界のIBM i 以外の世界でのパッケージ管理プログラム(とりわけRPMとyum)を使ったオープンソース・ソフトウェアの配布方法と一致しています。今や多くのオープンソース・オファリングがRPM形式で利用可能です。Linuxコミュニティの大部分は、ソフトウェアを配布するのにRPMベースのパッケージを使用しています。これにはパッケージ管理プログラム(yum)も含まれています。これらの変更により、より多くのオープンソース技術が利用可能になり、これらのパッケージの管理とインストールが数分で行えます。 以下に、 ‘yum’コマンドで実行できる一般的なタスクの例を示します。- yum list installed(インストール済みパッケージのリスト)
- yum list available(利用可能なパッケージのリスト)
- yum list updates(パッケージに対する利用可能な更新のリスト)
- yum install(パッケージのインストール)
- yum search(パッケージの検索)
- 言語の更新:RPMベースのオファリング・セットの一部として、jsバージョン8とPython 3.6が利用可能。
- TLS 1.3サポート
- OpenSSL 1.1.1とTLS 1.3を活用するように構築されたnginx HTTPサーバー
- updatedbおよびlocateツール
- GNUツール:RPMベースのオファリング・セットの一環として、IBMは業界標準を提供。
- GNU形式の多くの一般的なコマンド。いくつかの例は以下の通り
- less
- grep
- ls
- awk
- sed
- find
- patch
- tar
- iconv
- sort
- GNU Cコンパイラー(GCC)とその周辺ツール群:RPMベースのオファリング・セットの一部として、GCCバージョン3.0が利用可能。PASEまたはオープンソースアプリケーションの構築に必要な多くのツールも提供。これには、autoconf、automake、pkg-config、cmake、libtool、m4などを包含。
- LFTP:洗練されたファイル転送プログラムLFTPユーティリティが利用可能。
- GNU nano: ‘nano’エディターにより、端末セッション内のファイルが容易に編集可能。コピー&ペースト、正規表現による検索と置き換えなどのユーザビリティ機能をサポート。いくつかの言語の構文強調表示をサポートするように拡張することも可能。
I/Oおよびストレージ機能
さらに、このTRには以下のハードウェア関連サポートが含まれています。- PCIe4 LP 2-ポート100Gb ROCE EN IOA上の NICのVIOS構成
- 容量931GB、86TB、3.72TBの新SSD
- IBM iを構成に持つIBM Spectrum Virtualize用のシン・プロビジョニングされた外部ストレージのUnmap
- 3592-E05および3592-E06テープ装置に対するマルチパスのサポート