本記事は「IBM Systems Magazine」の許諾のもと、原文を日本語化するとともに、一部再編集したものとなります。原文をご覧になりたい方は下記よりアクセスしてください。
原文タイトル:
POWER9 for IBM i and the Announcement of 7.3 TR 4
原文著者: Steve Will
2018年2月13日
本日、2018年2月13日、IBM i 7.3とIBM i 7.2のTR8のTechnology Refresh 4(TR4)が発表されましたので、このブログで発表の概要をご説明いたします。詳細は、IBM iサイト(ibm.com)、Power Systemsサイト、ナレッジ・センター、およびdeveloperWorksで今日から公開されます。今後数週間の間で展開される情報がさらに増えてきますので、ブログや記事でご紹介していくつもりです、お楽しみに!
POWER9システム
今回のTRの最大の目玉は、同日発表になったPOWER9ベースのPower Systemsへの対応です。 IBMの過去の発表と同様に、今回も新しいPower Systemsの「主流ラインアップ」の発表を分散型の、すなわち多くのIBM i ユーザーがお使いになっている小型モデルから開始しました。
今回IBMが発表したモデルは、IBM Power S914、IBM Power S922、IBM Power S924、IBM Power H922、IBM Power H924です。システムは、以前の世代と同様に、システムのコンポーネントを記述するために名前が付けられています。 S914は、例えば、(S)スケールアウト、(9)POWER9ベース、(1)ソケット、(4)4Uフォームファクタです。これらのシステムの一般的な出荷開始は、2018年3月20日を予定しています。IBM i OSのTR PTF Groupおよびその他の関連機能を提供するPTFは、2018年3月16日に利用可能になります。これらの機能拡張については
こちらと
こちらをご参照ください。
IBMがこれらのPOWER9ベースのシステムをサポートするには、最新のTR(7.3 TR4および7.2 TR8)が必要です。これらはまた3月16日に一般的に利用可能になる予定です。
新しいシステムファミリではいつものように、新しいI / O、ストレージ、仮想化機能がサポートになりました。そして今後も追加発表がある予定です。POWER9ベースのシステムを採用される方は、これらのシステムおよび関連するテクノロジーの将来の拡張を活用するために、IBM i 7.3への移行を早めに進められることをお勧めします。なぜならば、7.3のほうがこれらの機能拡張のメリットをよりよく享受できるからです。
これらの新しいシステムおよび関連テクノロジーに関連する詳細情報については、
こちらをご参照ください。
RPG DATA-INTO:JSONなどのサポート
IBM i は、データ・セントリックなオペレーティング・システムといえます。つまり、OSの機能と関連する言語およびツールにて、データ処理関連の機能を提供しているのです。このOSの機能により、データにまつわる様々な技術作業をシステムに負担させ、プログラマー(および管理者)の作業負荷を軽減し、プログラマーはデータそのものの処理に専念できるようになるのです。もちろん、時間の経過とともに、新しいデータ関連技術が発明され採用されています。これらの新技術が広く使用されることが明らかな場合、IBMは統合に投資します。たとえば、XMLが戦略的かつ広く使用されているデータ記述の仕組みになったときに、IBMはDb2 for iとRPGにXMLサポートを組み込みました。
JSONはこのようなデータ関連技術のもう一つの例になっています。これまでのアナウンスでは、Db2とJSONに関連する機能が徐々に強化されました。今回の発表では、RPGでのJSONサポートを表明しました。
しかし、JSONに固有のものを作りあげるというのではなく、データを記述するためのより一般的なインターフェースを提供することにしたのです。これはDATA-INTOを使用して実装されています。
DATA-INTOについての詳細は
RPGCafé(英文サイト)で見つけられるでしょうし、JonとSusanが
iDevelopブログでそれについて書くだろうと確信しています。私の意見としては、このDATA-INTOはIBM i上でデータ・セントリックなプログラミングを行うための強力な新しいツールになるでしょう!
IWS、IFS、ACS、その他エトセトラ
今回の発表には、いくつかのアプリケーション開発およびシステム管理分野の拡張も含まれています。それぞれは、developerWorksにて説明されています(概要ページは
こちらから)が、いくつかのハイライトをご紹介しましょう。
•統合Webサービス・サーバー(IWS)により、IBM iのWebサービス・ジョブは、HTTP要求で渡された認証済みユーザーを使用して実行できます。これにより、プログラムは、ユーザーが関連するライブラリー・リストのようなものを活用するだけでなく、そのジョブがユーザーに権限を持つオブジェクトにアクセスすることを保証します。
•RPGソースコードと同様に、IFSに格納されているCLソースコードをコンパイルできるようになりました。これにより、CLとGitのような最新のツールがさらに統合されます。
•ACSにも多くの新機能があります。私が特に気に入っているのは、ACSのDababase管理画面から利用できるDb2 for iのサービス(編集部注:「IBM i サービス」の詳細については、「IBM i TECHセミナー 2017冬」の
セミナー資料をご参照ください)。数年前から、システムの管理とアクセスを容易にするために、「IBM i サービス」のライブラリ全体をACSに追加しています。今ではACSの画面経由で、RunSQLを実施する要領で「IBM i サービス」を呼び出すことが可能です。またACSの画面ではこの「IBM i サービス」が、探している機能のタイプ別に整理されているので、例えばアプリケーション環境の変数であったり、またはグループPTFの詳細などの情報を簡単に手に入れることができるのです。
•IBMから入手可能なARCADコンバーターには、固定フォーマットの旧RPGからより現代的なフリーフォーマットへの移行をさらに簡単にする新機能があります。
IBM iとAI-Watsonの接続性
POWER9発表の目玉の一つが、IBM iが、AI /コグニティブ機能に接続してその機能を使用できるようになるということです。これはPOWER9のアナウンスの一部として発表されていますが、標準的なインターフェース(SQLやHTTPなど)やオープンソース技術(node.jsやpythonなど)を使用してIBM iアプリケーションを拡張する機能はすでにおなじみなもので、すでにIBMのデモンストレーションや記事を目にされた方々もいらっしゃるでしょう。私も以前に
ブログでご紹介しています。それをなぜ今更改めて発表するのでしょうか?
簡単な答えは、今回のような発表を受け取るオーディエンスが、私のブログの標準的な読者、または過去1年間のIBM i + Watsonのすべてのプレゼンテーションでの出席者よりもはるかに大きいということです。私たちIBM iのブランドとマーケティングチームは、より幅広いユーザーにそのメッセージを確実に届けたいと考えています。したがって、IBM iとWatsonをうまく連携させるために必要なPOWER9の発表に特別な項目はありませんが、それで良いのです!あなたは今すでに必要なものを手にしています。新しいPower Systemsサーバーを入手しても、それは引き続き使用できるのです。
誰かに「ねえ、IBM i&Watsonが連携するって知っていたかい?」と聞かれたら、にっこり笑って「知っているよ、すごいね」と答えてください。
以上が、今回の発表のサマリーです。私が毎回言及するように、この記事では概要しかご紹介しておりません。詳細は、関連するオンライン記事を参照してください。私の記事が皆さんのご参考になることを願っております。